膝が痛い(膝痛)
ここ最近ご来院される方の症状として続いているのが、膝関節の痛みではない膝周りの痛みです。症状として共通しているのは下記のとおりです。
① 歩行時痛(びっこをひくほど痛い)
② 安静にしていても痛い
③ ピリピリ・ジンジンする
④ 膝の内側が痛い
⑤ 在宅勤務が続いている
医療機関では、『膝関節軟骨減少の問題』『疲労骨折!?』・『異状なし』との事だったそうですが、拝見すると確かに関節由来・膝周囲の靭帯・腱由来・筋肉由来の痛みのように見えましたが、関節や軟部組織(筋・腱・靭帯)由来の痛みの場合は、安静時の『ピリピリ』はなにか違うなと思い、絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)を疑い施術させていただきました。
絞扼性伏在神経障害とは?
腰から出発する神経の枝が鼠径部(そけいぶ)や大腿内側部で神経の絞扼(ハンター管症候群)を受ける事により膝周囲に痛みや痺れ(ピリピリやビリビリ・ジンジン)などの症状を現すことをいいます。
伏在神経膝蓋下肢(ふくざいしんけいしつがいかし)
膝のお皿のすぐ内側や内側上部に痛みが生じます。
伏在神経内側下腿皮枝(ふくざいしんけいないそくかたいかし)
膝関節の内側やや下に痛みを生じ、鵞足炎(がそくえん)に似た症状を呈します。鵞足炎とは、ランナーなどによく起こる障害で、縫工筋・半腱半膜様筋と呼ばれるハムストリング(後ろのもも)が付着する部位に痛みが生じます。
※人により鼠径部(股関節)に痛みを生じる事もあります。
原因
おそらくコロナ禍の在宅勤務により、座っている時間が以前よりも更に増えた事に加え、通勤がない事によりほとんど歩かなかった事により、鼠径部での血流障害を引き起こし、神経に酸素・栄養不足が生じた事が原因と考えられます。
治療
腰・鼠径部からの血流改善・神経の活性化を図る事により症状の改善に努めました。
まとめ
膝の痛みと言っても膝関節および周囲の軟部組織が原因とは限りません。しっかりと問診・検査をすることにより鑑別する事が可能です。『骨に異常はないよ』『軟骨がすり減っているよ』と言われたその痛み、絞扼性の神経障害かもしれません。また、運動不足を実感されている方は、通勤しているつもりで朝・夜歩くなど、今すぐにでも身体を動かすようにしてください。
最後に、ここ最近、膝だけでなく、足首・肘・手など血流障害が原因ではないかと思われるような方が多くいらっしゃいます。コロナから4年も経過し、身体に様々な不調が起きている様に思えますので、皆様、お身体をご自愛ください。